
NYへ行ってきました!
【その1】
またまた久しぶりの更新です。
夏に帝劇公演「ビューティフル」を終えた私は、しばしゆっくりとした日々を過ごしております。
そして先日、NYに行ってまいりました!
一番の目的は、ベット・ミドラーの「ハロー・ドーリー!」を観ること。
もともと私はベットの大ファン。その彼女のドーリーだもの、そりゃあ観たい!
しかも彼女の出番は来年の1月中旬までと発表され、観たい熱は上がる一方!
気持ちはどんどん膨らみ、仕事がひと段落した夏の終わりに、計画を練り始めました。
そしてこの11月に行ってきたのであります!!
もともと旅行が大好きな私、以前はちょっとお休みがあるとすぐ海外に飛んでいました。
アメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカやトルコ、オーストラリアなど、両親や知人と行ったり、
仕事でも各地へ行かせてもらっています。
それが、ここ10年ほど海外とは無縁な生活…今回は本当に久々の旅行となりました。
チケットが取れないと言われるベット・ミドラーの「ハロー・ドーリー!」。
そのチケットを争奪するところからこの計画は始まりました。
まずはインターネットで、「入手困難な演目でも99%お取りできます!」が謳い文句の代理店に、問い合わせ。
「取れた!」「いや取れない」「取れた!」「いやダメだった」と何度かやり取りを繰り返し、
なんとかベット・ミドラーの回のチケットをゲット! その日時を基に、旅行日程を組みました。
日にちも予算もギリギリの旅行だけれど、久しぶりなので、気分高揚しまくりです。
何にも決まってないうちから、新しいトランク買っちゃった!
さてその後は、Esta?何それ? とか、ブロードウェイって割引チケットもあるの? とか、
色々調べたり、詳しい人に聞いたり。
きっと寒いニューヨーク、洋服は何を持っていこうか、食事はどこで摂ろうか…などなど。
旅行は、こうやっていろいろ考えて計画を立てる期間が楽しかったりするんですよね。
びっくりするのは、今やなんでもインターネットで出来てしまうということ。
世の中、変わるのですね。
でも私は相変わらずチラシを集めて、あーでもないこーでもないと、自分に合うツアーを探していくのが、やっぱり好きですけれど!
旅行のお話しは続きます。
【その2】
今回は羽田出発。成田に比べればうんと近くて、楽チン。早朝出発でもへっちゃらです!
フライト時間は12時間くらい。時差14時間。ということで、朝、日本を出て、同じ日にNYに到着しますが、
出発時間より2時間ほど戻ってる! なんだかヘンな気分です。
9.11以降、チェックは厳しいかなと思いきや、待たされた割にはすんなり入国。
いよいよアメリカです。着いたその日は、ゆっくりとしたスケジュールですが、
久しぶりのニューヨークを闊歩しましたよ!
最初の食事をSUBWAYのハンバーガーで済ませたあとは、ホテルでしばしのんびりと過ごします。
そして夜、いざ観劇へ。
トップバッターは、新作の「The Band’s Visit」です。
この作品は、「迷子の警察音楽隊」というイスラエル映画を舞台化したもの。
招かれてイスラエルの空港にやってきたエジプトの警察音楽隊、いつまで経っても迎えが来ないので、
自力で目的地まで行こうとするのですが、一字違いの町へ間違えて行ってしまう、というお話し。
間違えた先の町で一晩過ごすことになり、そこに働く人々との交流を描いている。
文字にしてしまうとそれだけの、なんてことない話なのです。
でも、一生懸命に英語を話している姿勢とか(エジプト人の設定なのでね!)、互いを思いやる温かい心、
素晴らしい演奏、それらが相まって、とてもステキな舞台でした。
曲も素晴らしかったし、俳優が実際に演奏もしているので、見応え充分!
(もしかしたらミュージシャンが俳優として出演していたのかしら?)
評判が良くて、オフから上がってきたのだそうです。
90分休憩無し、劇場もホテルから近くて、到着初日に観るにはうってつけの作品でした。

【その3】
2日目。お昼間は観光です。久々の海外だから、一応ね!
遊覧船に乗りました!桟橋まで歩いたのだけれど、やっぱりNYは寒い!!!
ヒートテックを着込んできて大正解でしたが、寒さで手先がしびれる~
90分のクルーズで、ワンワールドトレードセンター、自由の女神、ブルックリン橋などを網羅。
なかなかの観光でした。90分で充分楽しめます!

雲ひとつない青い空でした!晴れ女健在!
その後は、9.11メモリアルへ。
世界貿易センタービルの跡地にて、想いを馳せる…
急ピッチで開発が進んでいるこの地域、テロには屈しないぞとばかりの、高層ビルやショッピング街など、
どんどん出来ています。
どんな理由があっても、戦争はいけない。犠牲になる人びとを出してはいけないと、強く感じました。
慰霊碑の前で
今晩はいよいよ「Hell,Dolly!」の観劇日。
でもその前に、プロデューサーとしてNYでご活躍の川名康浩さんにお目にかかりました。
彼は「キンキーブーツ」のプロデュースで、日本人で初めてトニー賞ベストミュージカル賞を受賞した方。
色々お話しをうかがって、ブロードウェイで仕事していく厳しさ、しかし夢を持って向かうことの素晴らしさ、
叶ったときのとてつもない喜びなどが感じられて、とってもステキな出会いとなりました。
「Sardi’s」というレストランへ行きましたが、ここはショービジネスに関わるたくさんの著名人の絵が飾られていることで有名です。
トニー賞もここで生まれたそうです。
さあ、今回の旅の目的、ベット・ミドラーの「Hello, Dolly!」です。
ウワサはいろいろ聞いていたけど、やっぱり何といってもベット・ミドラー!
もう彼女が出てくるだけで客席はやんやの大喝采。こんな女優、なかなか居ない。
熱い心を持った、世話好きオバサンのベット・ドーリー、魅力的でした!
私自身もこのドーリーを演じられたこと、幸せに思います。
やっぱり良い作品は、良い!!
人を幸せにする仕事、ステキだなあと思いながら、帰途についたのでした。
【その4】
今日はダブルヘッダーの日。
まず「Aladdin」の昼公演観劇。有名なディズニー作品ですが、改めてアラジンってどんな話だったっけ??
あわててウィキペディアで調べる…
作品のせいか、昼公演のせいか、家族連れであふれかえる劇場。あちこちで小ちゃなお子たちがきゃあきゃあ言ってます。こうやって家族みんなでミュージカルを見るなんて習慣はアメリカならでは、かな。ステキですね~
劇場も大きく、人気作品なので熱気もムンムン、その中で始まった物語は、オリエンタルな曲で幕を開けます。
煌びやかなセットもさることながら、なんと言ってもジーニーの存在感!芸達者な俳優さんです。
大きな体がリズミカルに歌い、踊る!
こちらの人は、ホントに何をやっても上手いのです。英語がわからなくても存分に笑わせてくれました。
子供向けと思いきや、大人も大満足の舞台でした。
夜の観劇までのつかの間、友谷真実ちゃんが会いに来てくれました。
彼女はかつて「ピアニスト」というオリジナルミュージカルで私が演じるクララの子ども時代を演じてくれた人。
NY在住の彼女は、マシュー・ボーン率いるAMPで主要な役を演じるひとりで、現在は後進の指導にも当たっています。
20数年振りの再会! すっかり大人になって、世界で活躍している真実ちゃんに感動です。
そして今晩は「Kinky Boots」観劇。
映画は見ていますが、舞台は日本版も来日版も未経験。どんな感じなのかとワクワクで臨みました。
期待を裏切らない絶品! この旅一番かも、と思うほどです。
主役のひとり、ローラを演じる俳優さんはオリジナルキャストだったようで、本当に素晴らしかった。
彼自身が遅咲きの俳優さんらしく、重ねてきたであろう苦労と哀愁が感じられ、彼自身の人生がバックに見え、
深みのある役作りに心打たれました。
彼のバラードも鳥肌モノ。感動の一夜でした!
【その5】
旅も終わりに近づいています。
この日、なんと日本版「ビューティフル」の演出家・シェリーに会えることに!
リンカーンセンターでイベントをやっている彼女に一目会いたいと、出かけていきました。
今は安全な地下鉄。普通に走ってくれたらね!
だけど…NYの地下鉄はヒドイ!!!
工事中だからと、バンバン通過するのです、駅を!!
乗りたい駅から乗れない、降りたい駅で降りられない、いつの間にか急行になって目的の駅が通過される…
こんなことは日常茶飯事だそうです。なんのアナウンスもない!
日本じゃ考えられないよ~!でもみんな怒らないの、なぜか。
「Oh, my god!」と言いながら、その様子はのんびりそのもの。
たった2駅で着くはずの駅にたどり着けず、シェリーを待たせてしまいました。あ~ごめんなさい!
でも忙しいなか時間を作ってくれたシェリーと、ほんのちょっとだけど会えて嬉しかった!
そしてその余韻を持ったまま、「Beautiful」観劇。
なんだか不思議な感覚でした。
表現方法は、アメリカ、日本、それぞれの良さを追求しています。
違うのは、お客様の反応。
どの劇場でも感じたことだけど、こちらのお客さんは、作品に“参加”している感じ。
キャロルのダンナのジェリーに対しては、ひどい行いに立ち向かうキャロルに惜しみない拍手を送り、
カーネギーの楽屋にのこのこやって来たときには、ブーイングが起こる。
アメリカならではの反応だなと思いました。
この日は、オフ・ブロードウェイ「Blue Man」のプロデューサーとして知られる出口最一さんに会いました。
日本人プロデューサーとしてはパイオニアともいうべき方で、在NY30年!数々の賞も受賞されています。
ブロードウェイの舞台が創られていく過程やシステム、日本との違いなど、とっても興味深いお話しをうかがいました!
タイムズスクエアにて
こちらで活躍している日本人は、皆、固い信念と“自分”を表現する力を持っています。
その強さがないと、生き残っていけないのかもしれませんね。
【その6】
あっという間に帰る日になりました。
もっともっと観たい、という欲望が、また来たい!に繋がる。そしてきっとまた来る!
という決意に変わるのに、時間はかかりません!
ゆっくり支度して、ゆっくり食事をして、さようならブロードウェイ。
渋滞の中、空港へ。JFK空港ってこんなに小さかったかしら、などと思いながら、今回の旅をかみしめます。
これから10数時間ののちは現実が待っている…
ここで見てきたことを、次の舞台にどう活かそうか。そんなことも考えながら機内へ乗り込みます。
私は乗り物の中では寝られないのですが、そのおかげか、なんとなんと、アラスカ上空通過中にオーロラと遭遇!
オーロラ見学ツアーに行っても見られるとは限らないのに、飛行機の中から見られるなんて、なんてラッキーなんでしょう!
寝ている人も多いなか、きゃっきゃと興奮さめやらぬ私にキャビンアテンダントさんも大興奮で、
「寒い想いをせずにオーロラを見られるなんて、飛行機の醍醐味ですね!」
その通りです、CAさん!CAさんたちも初めてオーロラを見たそうです。
最後にもステキなプレゼントをもらい、無事に帰国しました。
わっかるかな~ オーロラ!
旅の刺激は、やっぱりたまらない。うん、また経験したい。
気持ちが満ちる、この感覚を味わうために!